眼鏡の塔子(第1話)

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大学を卒業するまで、私はいわゆる単なる地味なメガネ女子だったの。

メガネをはずすと下着をつけていないような恥ずかしさがあってずっと手放せなかった…。

 

私はロングの黒髪を変えたことがなく、いつも後ろでひとつにまとめていたわ。

学校でもおとなしい子、断れない子の扱いだったから、お願いされたことは無理のない範囲で聞いていた。

 

「授業に出られなかったからノート貸して」とか「代返お願い」とかは日常茶飯事でそれ以外にも頼まれたことは一生懸命にやった。

 

でも、ジュースを買って来いといったパシリ的なことをさせられた訳ではなく、みんなから「ニコちゃんて笑うとほんとにかわいいよね」とか
「見た目からしてやさしそう」、「何かをお願いしやすいオーラを出してくれてる」と言われ悪い気はしなかった。

 

そう、「ニコちゃん」というのは同級生のA子ちゃんが付けた私のあだ名。

 

そんな大学生活を送る4年生のある日、またA子ちゃんからいつものごとく

急にバイトにいけなくなったから代わりに行ってほしいと半ば強引に頼まれたの。

 

いつも断らない私がそのときばかりは「それは無理だよ」と断った。

 

すると、A子ちゃんは私のメガネをはずして、

「ほら、ニコちゃんはメガネ取ったらかわいいんだから大丈夫!」と言いながら
「私これ預かるからよろしくー!また明日ねー!」と去ってった。

 

私の視力は0.7くらいなので、メガネがないと日常生活が送れないというほど不便なわけではなく、一種の防衛策みたいなものだった。

学校のすぐそばに住んでいたので急いで帰り、A子ちゃんから渡されたメモを見ながら支度をした。

 

メモには「黒いハイヒール、ストッキング、メイク道具一式(なるべく派手なの!)」と書いてあったので、書かれているとおりに準備した。

 

ハイヒールは入学式に姉から一番足がきれいに見えるこれくらいのを履いた方がいいと言われ、
大事にはけば就活にも使えるからと言われて買った唯一の代物。

 

そして、この間自分を変えたいと思い切って買ったものの、出番がないことに気付き後悔していた赤い口紅。

それをバッグにしのばせ、生まれて初めてコンパニオンのバイトへ…。

 

コンパニオンの制服を着た自分を目の当たりにしたときは、正直わが目を疑った。。

「鏡の中にいるのは誰?私じゃない」と。

 

そしてすれ違う男性の目線が顔が頭が、あからさまにこちらを向いていたことをひしひしと感じたわ。

 

支配人にも友人のA子ちゃんよりもずっといいと言われ、次回からもぜひ来てほしいといわれたので私は継続的に行くことに。

 

メガネをはずし新しい自分と出会ったあの日が、思えば私のLove Lifeの始まりだったのかも知れない。

この記事を書いた人

toko
一にも二にも恋とセックスが好き。経験した男性は100人以上。結婚に興味のないアラサー女子。
男を虜にする魔性ぶりは周囲の同性からも一目置かれるほど。これまで大物からヒモ男まで数々の男を渡り歩いてきた。
趣味:セックス、特技:セックス。将来の夢は官能小説家。

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