ファーストキス(第3話)

(第2話)「塔子、大学4年の秋」はこちら

塔子22歳、晩秋のファーストキス

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気になる彼と会いたいがために私は徐々にイタリアンレストランの方のアルバイトを増やしていった。

そして、彼も私に気があるのでは?という淡い期待が少しずつ確信に変わっていく日々を過ごした。

親がうるさかったため22時までと決められていたアルバイトをラスト(店のクローズ作業終了時間MAX遅くてだいたい23時半頃)までに変更していた。

親を説得して・・・。

親の説得は容易ではなかったけれどそこはなんとか情熱で押切った。

そして「ラスト」まで働けるようになり、気になる彼と一緒に帰るのはもうお互いの暗黙の了解ともなっていた。

そんなある夜のバイトの帰り道、公園の前を通ったとき、彼から「ちょっと座って話しない?」と言われた。

その時私は嬉しい気持ちと同時に咄嗟に浮かんだのは24時までの帰宅約束が迫っていたので「親に怒られる」ということだった。

24時だなんて、まるでシンデレラよね。

でも、そんな嬉しい誘いを断れるはずもなく「はい、少しだけなら。」と言った。

その後気持ちの問題でそういったと思われたくなかったので「うち親がうるさくて最初は22時上がりの約束をラストにまで伸ばしてほしいといったときに、24時の帰宅は厳守というのが条件だったので…」と正直に話した。

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本来バイト先から徒歩15分、自転車なら10分かからないのに、ゆっくり歩きながら帰っていたのでそのとき、時計の針は23時45分を過ぎていた。

すると彼が一瞬ベンチに座ったものの、すぐに腰を上げ、「やっぱり塔子ちゃんが怒られるといけないから今日は帰ろう!」と言ってきた。

私は嬉しい気持ちとホッとした気持ち、そして残念な気持ちの入り混じった心で同意した。

すると彼が、「その代わりと言ってはなんだけどお願いがあるんだ」と言ってきた。

「はい。なんですか?」というと、「メガネを取ってみて欲しいんだけど。」と言われた。

私には人前で、しかも好きな人の前でメガネを外すという行為があまりにも恥ずかしかったが、気を使ってくれた彼のお願いを断れるはずもなく、多分ものすごい赤面した顔で思い切ってメガネを外した。

すると彼は、「メガネ外してもやっぱり可愛いね。」と言ってくれた。

私は好きな人から褒められるという初体験をして、ほんとうに照れくさいなんてものではすまなかった。

そんな気持ちでいると「俺、実は彼女いるんだけど…」といわれ途端に奈落の底へ。

「あっそうじゃなくて、言いたいことは、それなのに塔子ちゃんを好きになってしまって、ほんとは彼女とちゃんと別れてから言おうと思ってたんだけど、好きなんだ。もう気持ちを抑えられない。彼女とは別れるから付き合ってください。」と言われた。

私はさっきまで奈落のそこになげうたれたのに、その後は生き返ったみたいに喜びが湧いてきて、「こんなに瞬時に気持ちが変わるなんて!」と恋の魔力を感じた。

もちろん、それは帰宅した後、じっくり感じたことだけれども。

そして、「はい。」といった。

その一言が精一杯だった。

そうして私は、彼に抱きしめられ、生まれて初めてのキスを交わし、ハチ切れんばかりの嬉しさと隠しきれない照れた感情で帰宅した。

もちろんその夜は一睡もできなかった…。

あれこれ思い出したり、「これって彼氏ができたってことでいいのよね?」と考えたり、彼女ってどんな人なんだろうとか、初めて抱き締められキスをされた感触を思い出しながら…。

こうして生まれて初めて彼氏ができた。

塔子22歳の晩秋。

大好きな彼との交際が始まった…。

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この記事を書いた人

toko
一にも二にも恋とセックスが好き。経験した男性は100人以上。結婚に興味のないアラサー女子。
男を虜にする魔性ぶりは周囲の同性からも一目置かれるほど。これまで大物からヒモ男まで数々の男を渡り歩いてきた。
趣味:セックス、特技:セックス。将来の夢は官能小説家。

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